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滝野 一夫; 大木 繁夫
JAEA-Data/Code 2023-003, 26 Pages, 2023/05
次世代高速炉は、従来炉よりも高い炉心取出燃焼度を目指しているため、炉心核設計の高度化が求められる。そのため、燃焼核特性解析では、計算コストを抑えつつ十分な計算精度が得られる適切な解析条件が必要とされる。そこで、次世代高速炉の燃焼核特性の計算精度に及ぼす解析条件の影響を、中性子エネルギー群、中性子輸送理論、空間メッシュに着目して調査した。本検討では燃焼核特性として、平衡サイクルにおける臨界性、燃焼反応度、制御棒価値、増殖比、集合体単位の出力分布、最大線出力、ナトリウムボイド反応度、ドップラー係数を取り扱った。検討の結果、エネルギー群を18群とし、拡散近似を用いて1集合体あたり6メッシュ分割して、エネルギー群、空間メッシュ、輸送効果の補正係数を適用することが最適であることが分かった。
横山 賢治; 丸山 修平; 谷中 裕; 大木 繁夫
JAEA-Data/Code 2021-019, 115 Pages, 2022/03
原子力機構ではこれまでにも高速炉用統合炉定数を作成してきているが、高速炉用統合炉定数ADJ2017の改訂版となるADJ2017Rを作成した。統合炉定数は、高速炉の核設計基本データベースに含まれる臨界実験解析等で得られるC/E値(解析/実験値)の情報を、炉定数調整法により実機の設計に反映するためのものであり、核データの不確かさ(共分散)、積分実験・解析の不確かさ、臨界実験に対する核データの感度等の情報を統合して炉定数を調整する。ADJ2017Rは、基本的にはADJ2017と同等の性能を持つ統合炉定数であるが、ADJ2017に対して追加検討を行い、以下の二つの点について見直しを行った。一つ目は実験起因不確かさの相関係数(以下、実験相関係数)の評価方法の統一化である。実験相関係数の評価で用いる共通不確かさの評価方法に二つの方法が混在していたことが分かったため、すべての実験データについて実験相関係数を見直し、評価方法を統一した。二つ目は炉定数調整計算に用いる積分実験データについてである。Am-243サンプルの燃焼後組成比の実験データの一つに、実験不確かさが他に比べて極端に小さく不確かさ評価に課題がある可能性が高いことが分かったため、当該実験データを除外して炉定数調整を行った。なお、ADJ2017の作成では、合計719個の核特性の解析結果に対する総合評価を行い、最終的に620個の積分実験データを採用していたが、ADJ2017Rの作成では一つ除外したので、最終的に採用した積分実験データは619個となる。どちらの見直しについても炉定数調整計算結果に与える影響は小さいが、不確かさ評価方法の説明性や積分実験データとの整合性が向上したと考えられる。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
後藤 実; 相原 純; 稲葉 良知; 植田 祥平; 深谷 裕司; 岡本 孝司*
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10
日本原子力研究開発機構はプルトニウム燃焼高温ガス炉の設計研究を行っている。プルトニウム燃焼高温ガス炉は核分裂によりプルトニウムを削減するため、効率的な削減には高燃焼度が必要とされる。燃料設計においては、高燃焼度での被覆燃料粒子の破損を防ぐために、酸素ゲッターとして機能し内圧を抑制する薄いZrC層を燃料核に被覆することとした。被覆燃料粒子の圧力容器としての機能を持つSiC層の応力解析をZrC層による内圧抑制効果を考慮して行い、500GWd/tの高燃焼度における被覆燃料粒子の破損割合は目標値を満たした。炉心設計においては、高燃焼度を達成するために軸方向燃料シャッフリングを採用することとした。全炉心燃焼計算及び燃料温度計算を行い、炉停止余裕及び反応度温度係数といった核特性値、及び燃料温度は目標値を満たした。
大釜 和也; 中野 佳洋; 大木 繁夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(8), p.1155 - 1163, 2016/08
被引用回数:1 パーセンタイル:10.71(Nuclear Science & Technology)JSFR(Japan Sodium-cooled Fast Reactor)では、炉心崩壊事故(CDA)対策として、内部ダクト付燃料集合体を採用している。炉心核計算において、この内部ダクト構造を直接取扱い、全内部ダクトが炉心中心に対して外側を向くように集合体を配列した場合(外向)、全内部ダクトが内側を向くように集合体を配列した場合(内向)に比較して、炉心中心付近の出力分布が高くなることが報告されている。この要因を分析するため、本研究では、モンテカルロ法に基づく輸送計算および燃焼計算コードを使用し、種々の内部ダクト配列において炉心の出力分布および炉心特性を評価した。この結果、外向および内向配置における炉心中心の出力分布の違いの主要因は、内部ダクト配列の違いに起因する核物質の空間分布の違いであることがわかった。同じメカニズムで、炉心中心以外においても内部ダクト配置の違いにより出力分布に影響が生じることがわかった。また、内部ダクト配置の違いによる制御棒価値への影響を確認した。
大釜 和也; 川島 克之*; 大木 繁夫
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 6 Pages, 2015/05
内部ダクト付燃料集合体を採用したJSFR(Japan Sodium-cooled Fast Reactor)の過渡挙動を精緻に評価するため、プラント動特性解析コードHIPRAC用の新たなモデルを開発した。このモデルでは、内側および外側炉心燃料チャンネルを、バンドル内、周辺部および内部ダクト隣接部にわけて、それぞれのチャンネルにおける冷却材再分布および温度を評価できる。バンドル内および周辺部のチャンネルの冷却材温度分布については、過去に実施した-FLOWによる解析結果との比較により検証した。内部ダクト内の冷却材温度分布は、汎用熱流動解析コードSTAR-CD ver. 3.26により解析した。この結果に基づき、内部ダクト内での水平方向に均一な温度分布を仮定した伝熱モデルをHIPRAC用のモデルとして適用した。750MWe JSFRの低除染TRU含有燃料炉心における反応度係数を評価し、これを用いて、HIPRACコードにより冷却材喪失型事象における過渡挙動を評価した。新旧モデルの解析結果の比較から、詳細な冷却材温度評価により、内部ダクトやラッパ管ギャップなどを含む燃料集合体周辺部の冷却材温度および冷却材フィードバック反応度の過大評価が改善されることが示された。
小林 登; 大久保 努; 内川 貞夫
JAERI-Review 2005-029, 119 Pages, 2005/09
「革新的水冷却炉研究会」は、軽水炉によるプルトニウムリサイクルを目指して日本原子力研究所(原研)が研究開発を進めている革新的水冷却炉(FLWR)に関して、大学,電力会社,原子力メーカー及び研究機関等の研究者と情報交換を行って今後の研究の進展に資することを目的に実施しているものである。本研究会は、平成10年3月に開催された第1回会議以来、毎年開催されており、第8回となる今回は、平成17年2月10日に航空会館で行われ、日本原子力学会北関東支部並びに関東・甲越支部の共催を得て、電力会社,大学,研究機関,メーカー等から75名の参加があった。まず、原研における革新的水冷却炉の全体構想と研究開発状況とともに、軽水炉プルトニウム利用の高度化にかかわる燃料サイクル長期シナリオに関する発表が行われ、要素技術開発の現状として稠密炉心の熱流動特性試験及び大阪大学から稠密炉心の核特性予測精度評価技術の開発に関して報告された。続いて次世代軽水炉を巡る動向として「高経済性低減速スペクトルBWRに関する技術開発」,「スーパー軽水炉(超臨界圧軽水炉)の設計と解析」と題して、それぞれ東芝と東京大学からの発表があった。本報告書では、各発表内容の要旨及び当日に使用したOHP資料,講演に対する質疑応答を掲載した。
奥村 啓介
日本原子力学会第36回炉物理夏期セミナーテキスト, p.81 - 102, 2004/08
不連続因子を使用する近代ノード法は、近年の商業用軽水炉の炉心特性解析において、広く利用されるようになってきた。これらの基礎理論,数値計算手法,計算結果の例について、初心者向けに解説する。
鍋島 邦彦; 中塚 亨; 石川 信行; 内川 貞夫
JAERI-Conf 2003-020, 240 Pages, 2003/11
「低減速軽水炉研究会」は、日本原子力研究所(原研)が革新的水冷却炉として研究を進めている低減速軽水炉について、研究の効率的推進に資することを目的として、所内関連部門の研究者と大学,国公立試験研究機関,電力会社,原子力メーカー等の所外研究者とが情報交換を行っているものである。本研究会は、平成10年3月に開催された第1回会議以来、毎年開催されており、第6回となる今回は、平成15年3月6日に東海研で行われ、昨年同様、日本原子力学会北関東支部の共催を得て、所内関連研究者,大学,研究機関,メーカー等から100名の参加があった。第1部では、原研における低減速軽水炉の研究開発の現状とともに、小型低減速炉の設計研究,低減速炉心の臨界実験,高性能被覆管の開発,限界熱流束実験に関する最新の研究成果(5件)が報告された。また、第2部では、革新的原子炉研究開発を巡る動向として、「実用化戦略調査研究」及び「超臨界圧水冷却炉の研究」について、それぞれサイクル機構と東芝からの発表があった。
岩村 公道; 大久保 努; 呉田 昌俊; 中塚 亨; 竹田 練三*; 山本 一彦*
Proceedings of 13th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC 2002) (CD-ROM), 7 Pages, 2002/10
我が国における持続可能なエネルギー供給を確保するため、原研は原電及び日立と共同で低減速スペクトル炉(RMWR)の研究開発を実施した。RMWRは、燃料の有効利用,プルトニウム多重リサイクル,高燃焼度・長期サイクル運転が可能な軽水炉であり、中性子の減速を抑えて転換比を向上させるため、稠密格子MOX燃料集合体を使用している。またボイド反応度係数を負にするため扁平炉心を採用した。1,356MWの大型炉と330MWの小型炉の設計を行った。大型炉心では転換比1.05,燃焼度60GWd/t,運転サイクル24ヶ月の性能が達成できた。7本ロッドの限界熱流束実験を実施し、熱流動的成立性を確認した。
角田 弘和*; 佐藤 理*; 岡嶋 成晃; 山根 剛; 飯島 進; 神戸 満*
Proceedings of International Congress on Advanced Nuclear Power Plants (ICAPP) (CD-ROM), 6 Pages, 2002/00
月面用高速炉RAPID-Lでは完全自動制御を達成するために、革新的な反応度制御システムLEM,LIM及びLRMを装荷する。これらのシステムでは、Li-6を液体吸収材として用いる。このLi-6は、高速炉ではこれまで吸収材として用いられたことがない。そこで、原研の高速炉臨界集合体(FCA)を用いてLi-6の反応度特性を調べた。実験では、濃縮ウランとステンレス鋼を用いてRAPID-Lの中性子スペクトルを模擬した炉心をFCAに構築し、95%濃縮Li試料を用いてLi-6の軸方向反応度価値分布を測定した。測定結果を、RAPID-L設計手法による計算結果と比較したところ、両者は良い一致を示した。この結果から、炉心設計手法に対するバイアス因子を求め、RAPID-Lに装荷するLEM及びLIMの本数を決定した。
岩村 公道; 大久保 努; 嶋田 昭一郎*; 碓井 修二*; 白川 利久*; 中塚 亨; 久語 輝彦; 秋江 拓志; 中野 佳洋; 和田 茂行*
JAERI-Research 99-058, p.61 - 0, 1999/11
低減速スペクトル炉は、中性子エネルギーを現行軽水炉よりも高くすることで転換比を増大させ、ウラン資源の有効利用、高燃焼度・長期サイクル運転、及びプルトニウム多重リサイクル等を目指した将来型水冷却炉である。炉心設計では、転換比の増大とともにボイド反応度係数を負とするため、燃料格子の稠密化、炉心の扁平化、ブランケットの活用、ストリーミング効果等の基本的な炉心設計上のアイデアを組み合わせた。これまでBWR型炉として、高転換比炉心、長期サイクル炉心、ブランケットなしの炉心を、PWR型炉として、高転換比炉心、プルトニウム多重リサイクル炉心の概念を創出した。本報告書は、研究目的、国内外の動向、原理及び特徴、炉心概念設計の現状、及び今後の研究開発計画等、低減速スペクトル炉の研究成果をまとめたものである。
山根 剛; 山下 清信; 藤本 望
New approaches to the nuclear fuel cycles and related disposal schemes, 1, p.267 - 277, 1998/00
兵器級のプルトニウムを高温ガス炉で燃やす際の炉心核特性等について概括し、これまで報告されているシステムの設計研究例のレビューをもとに、炉物理的な観点での現状と今後の課題についてまとめた。特に重要な課題として、Pu装荷炉心では反応度温度係数が正になる可能性の問題を取り上げ、その原因と核設計上の対処方法について解説した。またPuの処理効率については、リサイクルなしのワンス・スルーサイクルで、初期装荷兵器級Pu量に対してPu-239で90%以上を消滅できることが報告されている。これは高温ガス炉の炉心が中性子経済に優れ、高性能の被覆粒子燃料を用いているため、高燃焼度の達成が可能であることに起因している。今後の課題として、Pu燃料を用いた積分実験は炉物理計算法及びデータの検証にとって有益であり、可能ならば高温領域、高燃焼度模擬条件下での温度依存の炉心パラメータの測定が望まれる。
神永 雅紀; 村山 洋二; 和田 茂; 木名瀬 政美
JAERI-Tech 97-043, 63 Pages, 1997/09
JRR-3は、低濃縮板状燃料を使用した軽水減速・冷却、ベリリウム及び重水反射体付プール型炉であり、熱出力は20MWである。JRR-3では、現在、シリサイド燃料化計画が進められており、燃料としては現在のウランアルミニウム(UAl-Al)分散型燃料(アルミナイド燃料)に代わり、ウランシリコンアルミニウム(USi-Al)分散型燃料(シリサイド燃料)を使用する予定である。JRR-3シリサイド燃料炉心では、シリサイド燃料化に伴って標準型燃料要素及びフォロワ型燃料要素の燃料板枚数、燃料板厚さ、冷却材流路ギャップを変更する。このため、これまでのアルミナイド燃料炉心と比べ炉心流量配分特性が異なり、燃料要素以外の炉心構造物の設計計算に用いている設計流速を見直す必要がある。本報告書は、JRR-3シリサイド炉心の炉心流量配分特性、炉心流量配分特性の変更に伴い新たに設定した炉心構造物の設計差圧及び設計流速について述べたものである。付録には、それらの結果に基づき実施した炉心構造物の耐熱計算結果を示した。
炉物理研究委員会
JAERI-M 93-254, 36 Pages, 1994/01
本報告は、1992年7月1993年7月までの日本における炉物理研究活動をレビューしたものである。レビューの対象とした分野は、核データ評価・計算手法・高速炉・熱中性子炉物理・新型炉設計・核融合炉ニュートロニクス・臨界安全・遮蔽・放射性廃棄物の消滅処理・雑音解析と制御・国のプログラムである。主たる参考文献は、この期間に出版された雑誌及びレポートに記載された論文である。
炉物理研究委員会
JAERI-M 92-209, 43 Pages, 1993/01
本報告は、1991年6月1992年7月までの日本における炉物理研究活動をレビューしたものである。レビューの対象とした分野は、核データ評価・計算手法・高速炉・熱中性子炉の物理・新型炉設計・核融合炉ニュートロニクス・臨界安全・遮蔽・放射性廃棄物の消滅処理・国のプログラムである。主たる参考文献は、この期間に出版された雑誌に記載された論文である。
森本 裕一*; 奥村 啓介
JAERI-M 92-068, 107 Pages, 1992/05
沸騰水型炉(BWR)の三次元核熱水力計算を可能とするため、炉心燃焼計算コードCOREBN-BWR及び燃料履歴管理コードHIST-BWRを開発した。BWR炉心では炉心内でボイドが発生し減速材密度が大きく変化するため、炉心性能評価には核計算と熱水力計算との結合が必須となる。本コードは、炉心燃焼計算コードCOREBN2に、(1)減速材ボイド率を考慮した巨視的断面積計算機能、(2)炉心内流量配分、減速材ボイド分布、熱的余裕計算機能、(3)Halingの原理に基づく炉心燃焼計算機能、(4)炉心、燃料の熱水力に関する情報の管理機能等を追加し、BWR炉心の燃焼解析を可能としたものである。本報告書は、改良にあたり採用した計算モデル、入力データの作成方法、計算の実行方法と入力例についてまとめたものである。
森本 裕一*; 奥村 啓介; 石黒 幸雄
JAERI-M 92-067, 35 Pages, 1992/05
軸方向非均質炉心概念を用いた高転換BWR炉心について、基本的な炉心特性を評価するため、Halingの原理に基づき、熱水力計算と結合した三次元炉心燃焼計算を行った。1.0に近い高い転換比を達成するため、本炉心の実効的な減速材対燃料体積比を0.25程度と小さくし、また、正の冷却材ボイド反応度係数を低減させるため、炉心は軸方向ブランケット部と核分裂性燃料部の多重層として構成される。燃焼解析の結果、冷却材ボイド反応度係数は均質炉に比べて負側へ移行できることを確認した。また、取出し燃焼度を45GWd/tとした場合、提案炉心の核分裂性プルトニウム残存比は1.03となる。
山下 清信; 丸山 創; 村田 勲; 新藤 隆一; 藤本 望; 数土 幸夫; 中田 哲夫*; 徳原 一実*
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(5), p.472 - 481, 1992/05
日本原子力研究所が建設を進めている高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉出口冷却材温度の達成目標値は950Cと極めて高く、燃料の健全性を保持する必要性から燃料最高温度を極力低くする必要がある。このため、ウラン濃縮度配分の調整及び制御棒炉内挿入度の抑制による炉内出力分布の最適化により燃料最高温度を極力近くする方法を開発した。本報は、この燃料最高温度低減のための出力分布の最適化方法及びHTTRの炉心設計にこれを適用した場合の設計結果について述べたものである。
石原 正博; 伊与久 達夫; 豊田 純二*; 佐藤 貞夫; 塩沢 周策
JAERI-M 91-154, 39 Pages, 1991/10
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心支持黒鉛構造物用として使用される材料は、原子炉級微粒等方性黒鉛(IG-110黒鉛)、原子炉級準等方性黒鉛(PGX黒鉛)及びASR-ORB炭素であり、現在までこれらの材料に対する引張強度、圧縮強度、縦弾性係数、熱膨張係数等のデータを精力的に取得してきた。これまでの取得データに基づいて、HTTRの「炉心支持黒鉛構造設計方針」で設計用データを規定している。本報告は、HTTRの炉心支持黒鉛構造物用の材料に対する設計用データとその設定方法について解説したものである。